このブログを読んでいただきありがとうございます!皆さんこんにちは!ISO絶賛勉強中の三浦と申します。
引き続き見ていただいた方!いつもありがとうございます!
今回はHACCP(ハサップ)についてお話していこうかと思います!これからも記事を通して、ISOなどのマネジメントシステム周りの基礎知識を皆様と一緒に学んだり、それらにまつわる情報発信を行っていければと思いますので、ときどき覗きに来てくださいね!
さて、季節外れの温かさが続く東京ですが、全国的に気温が高いようで日本海側の富山市・福井市・鳥取市・松江市では統計開始から最も遅い夏日を観測したそうです。かといって今週にはこの時期本来の寒さも戻ってくるようです。新型感染症の感染者数も高まっている今、体調管理に気を付けている方も増えているのではないでしょうか。
外出自粛が今より盛んだった4月ころ、健康と体力づくりを考えてランニングを始めました。人気のない道を1度に5㎞走るのを週3,4回ペースで行っていたのですが、夏になるにつれて段々とサボるようになってしまい、今ではたまに思い出したかのように不定期に行っています笑
初めのうちは良くても、徐々に自分の中で義務化されていくような気がしてしまって、飽き性の私には耐えられなくなってしまったのかもしれません…皆さんもこんな経験が一度はあるかと思いますが、今回はこの義務化というワードにフィーチャーしてHACCPについて綴っていきたいと思います。
※前回の記事はこちら!読めそうで読めない「HACCP」(ハサップ)って、いったい何?
義務化って言うけど期限はあるの?
前回の記事では、HACCP(ハサップ)の読み方という超初歩的なところから、義務化についても少しお話ししましたが、おさらいとして導入の期限の流れを振り返ると、
- 「HACCPに沿った衛生管理の制度化」が改正食品衛生法改正案によって2018年6月に決定
- 原則としてすべての食品等事業者を対象に2020年6月からすでに施行開始
- 施行から1年、つまり2021年6月までは猶予期間が設けられている
つまり来年2021年5月31日が導入の期限になります。
本ブログの投稿日からすると、残すところほぼ半年ですね。今から導入に向けて動き出す方や、すでに準備は整っている方までいるかと思いますが、実際の導入状況はどのようになっているのでしょうか?
大手企業ほど義務化に対して敏感!
農林水産省の食料産業局食品製造課が平成22年度から毎年行っている、令和元年度「食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査」の結果によると、
昨年10月時点での食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の全体の導入状況は、22.5%が導入済み、18.0%が導入途中という結果で、約4割程度の企業がHACCPに沿った衛生管理に触れている現状です。
これだけ見ると、「まだ半分以上もやってないんだね!なんか安心した…」と思う方もいるかもしれませんが、これを販売金額規模別にした数値を見てみると…
企業を100億円以上の売上で区切ると、導入済みが90.3%!導入途中を含めると脅威の100%です。50億円~100億円未満の企業でも導入済みは88.0%、導入途中込みで98.9%に上ります。対して5000万円未満の企業に限定すると、導入済みは11.9%と大きくかけ離れています。特に顕著なのが、「HACCPに沿った衛生管理をよく知らない」と答えた5000万円未満の企業が19.7%という結果で、同じ売り上げの導入済みの企業数よりも倍近く多かったことです。
参考文献:農林水産省 令和元年度 食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査結果
数値から見ても、大企業の方がHACCPの導入について積極的だということがわかりますよね。対して、なぜ中小企業が消極的なのか疑問に思われる方もいるかと思います。
もちろん各企業それぞれ理由があるかと思いますが、導入の担当に回せる人材的・時間的な余裕がなかったり、そもそも導入の必要があることの情報不足だったりがあるかと思います。なので、一体何をしたら義務を果たしたことになるのか、簡単にまとめてみました。
義務化までに何をするべき?
まずは何をしたらいいのか、同じ疑問を持った企業が厚生労働省へ質問しているので、そちらを見てみましょう。
I. 制度全般について
問1 今回の食品衛生法改正により、食品等事業者は衛生管理に関して何をす
ることが求められているのですか。1 これまで営業者が実施すべき衛生管理の基準は、各都道府県等の条例で規
定されていましたが、今回の法改正により、衛生管理の基準は食品衛生法施
行規則(省令)で規定され、全国一律の内容となりました。
(注)都道府県知事等は省令で定められた基準に反しない限り、条例で必要な
規定を定めることができます。
2 今後、営業者(集団給食施設を含む。)は、食品衛生法施行規則に定めら
れた「一般的な衛生管理」及び「HACCP に沿った衛生管理」に関する基準に従
い、
①衛生管理計画を作成し、食品等取扱者や関係者に周知徹底を図ること、
②公衆衛生上必要な措置を適切に行うための手順書を必要に応じて作成す
ること、
③衛生管理の実施状況を記録し、保存すること、
④衛生管理計画及び手順書の効果を検証し、必要に応じてその内容を見直す
こと、
が求められることとなります。(以下略)
出典:厚生労働省 HACCP に沿った衛生管理の制度化に関するQ&A
何やら難しい言葉で回答されていますが、とても大雑把に受け取ると、
- 都道府県別にバラバラだった衛生管理のルールが全国で統一されたので知っておくこと
- そのルールはHACCPと一般的な衛生管理に従うこと
- ルールに則って企業ごとに手順書や計画を作ってキチンと運用すること
- 日々の管理は書面で残し、不備が出たら都度改善すること
といった感じです。しっかりとルールを把握さえすれば、日々の管理にプラスアルファするだけで導入できそうと思った方も多いのではないでしょうか?さらに詳しい内容については、次回以降またお話しできればと思います。
「あと半年しかないのにそんな悠長なこと言わないでよ!」と思った方はこちら!
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義務化ってことは…違反するとどうなる?
「義務」と聞くと、破ると何かまずいことが起こるのでは…と考えてしまうのが常だと思いますが、このHACCPの導入義務化にも罰則はあるのでしょうか?
結論から言うとぶっちゃけありません。
ならやらなくてもいいじゃん!と思ったそこのあなた!よく思い出してみてください。HACCPに沿った衛生管理が、全国統一のルールになったというお話を先ほどしましたよね。これが何を意味するのか?食品関係の方はお気づきかと思いますが、このルールは保健所の指導にも大きく影響を与えます。このルールの違反を続けた場合、最悪営業停止処分ということもあり得ないことでは無い訳です。
また、現状は存在しませんが、各都道府県の条例で必要な規定を定められることも覚えておきましょう。つまり、今後「2年以下の懲役、100万円以下の罰金」が科せられる条例が施行される可能性があるわけです。だからということでもありませんが、義務化については早めの検討が賢明と言えるでしょう。
いかがだったでしょうか?HACCPって難しそうと思っていた方も、義務化に向けて重い腰を上げてもらえるきっかけになれば幸いです。文中にも少し触れたとおり、ルールさえ知ってしまえばいつもの業務とほぼ変わらずに導入することも可能です!ぜひこの機会にHACCPについて前向きに検討してみてください。
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今後もISOなどについてブログで発信していきますので、また見に来てくださいね!