iso9001

ISO9001内部監査 背景~要点まで

ISO9001の背景

<品質マネジメントシステムの始まり>

品質マネジメントシステムとしての考え方は、アメリカ軍の資材調達で取り入れられた。購買時の資材調達時のサプライヤーへの要求である。その後、NATOでも同様の方法が求められた。民間分野では、原子力分野で取り入れられた。

<ISO分野での展開>

1976年品質管理システム規格を制定するために技術委員会が組織された。最初に、ISO8402:1986「品質:用語」が制定され、ISO9001、ISO9002、ISO9003が制定された。ちなみに、BS5の709がベースになっている。

1994年ISO9001:1994版が発行され、日本国内において企業への導入がはじまった。そして、2000年に大幅に内容が改訂されたISO9001:2000が発行された。2008年にも改定があったが、軽微な変更にとどまっている。そして、現在の2015年に続く

<品質マネジメントシステム導入の効果>※可能性

a)顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して提供できる

b)顧客満足を向上させる機会を増やす

c)組織の状況及び目標に関連したリスク及び機会に取り組む

d)規定された品質マネジメントシステム要求事項への適合を実証できる

<品質マネジメントの原則>

顧客重視

リーダーシップ

人々の積極的参加

プロセスアプローチ

改善

客観的事実に基づく意思決定

関係性管理

ISO9001:2015版について

ISO9001:2015版の特徴※2008年版との比較>

1.他の規格と統合しやすくなった

2.プロセスアプローチがより一層鮮明になった

3.トップマネジメントへのリーダーシップ発揮が強く求められている

4.組織の状況や利害関係者のニーズを理解

5.「リスク管理」の考えを取り入れています

6.様々なレベルで生じる変更への対応

7.知識に関する要求事項

8.「記録や手順」の表現を「文書化された情報」とし、品質マニュアルの要求が無い

9.外部提供者との関係を重視

10.「引渡し後の活動」を明示的に要求しています

 

今後は、トップマネジメントの強いリーダーシップの下、市場動向、リスクを考慮した企業のリアルな事業実態に沿ったマネジメントシステムの構築を行い、運用を行うことでの事業成果が求められています。

<ISO9001認証企業の実態>

これまでISO9001は、国内の多くの認証企業では、顧客との取引維持や新規開拓に必要不可欠な資格として、重要な座を獲得していました。一方で、審査機関もISOの価値を下げることなく、認証企業の維持継続を目指していました。しかしながら、認証企業では以前のISO9001の認証や維持にて、各組織は経営目標と品質管理目標とのダブルスタンダードに悩んでいたことも事実です。維持のためのISO業務が少なからず組織に作業負荷を与えていました。また、審査機関も認証維持継続を目的とした審査が多く見受けられていました。今後、ISO9001:2015版となり、多くの認証企業をはじめ、審査機関でこのISO9001:2015版の狙い、効果が出てくることが求められてきます。

<内部監査の役割>

ISO9001の中核をなすものは、品質目標、経営者の品質方針であり、企業体が自らの品質システムを改善していく「内部監査」になります。経営方針はトップダウンですが、内部監査はボトムアップになります。また、内外の課題、利害関係者のニーズ、リスクと機会と合わせて、内部監査は、マネジメントレビューの経営者の判断要素として重要な役割を持ちます。そのレビューの結果が、またトップダウンにつながるサイクルになってISO9001が完結するサイクルになっていきます。内部監査員をはじめ、一般社員が互いのプロセスや問題を改善しあうことで、品質マネジメントシステムの効果を高めることができるのが内部監査のメリットであるといえます。

内部監査を実施する上での注意点

内部監査の規定では、あらかじめ定められた計画に基づいて実施することが定義されているはずです。多くの企業では、1年に1回となっているのではないでしょうか?また、内部監査メンバー達は独立した組織・チームとして編成されます。客観性が重要だからです。また、内部監査員の力量は、外部研修機関での講習や研修を受講された方となっているケースが多いです。実際は、受講しただけでは中々直ぐに1人で実施することは難しいですが、講習から学べる知識と実際に実施することで経験を組み合わせて行っています。

内部監査の特徴は、いうまでもなく、異なる業務・担当に従事する監査員による審査ですが、その方法としてはチェックリストをプロセス項目ごとに作成し、力量の標準化をはかりながら実施するケースが多いです。監査員は指摘すべきポイントを見出したら、受審者に語らせる中で、自主的に指摘の内容を自覚させるのがポイントです。この、内部監査員を上の特徴で記載されているような、本来のISO9001:2015の狙いに貢献できるスキルにするには、これまでの研修内容や講習内容では立ち行かなくなると思われます。大企業では、これまで多くの人員に対して内部監査員研修を受講させてきました。しかし、受講者人数に対して1人称で実施できるメンバーが育成できているのか?という点では、まだまだ改善の予知があるのではないでしょうか?外部機関の内部監査員研修は過去のISOとカリキュラムが変わっていません。そこをどのように改善するのかという点も必要ではないでしょうか?

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